「最近の若い者は系の愚痴を聞こえよがしに垂れ流してる老人がいる」
「まだ言ってる」
「言いたい事あるなら面と向かって言えばいいのにって思うけど、聞こえよがしなどという下品な行為に付き合う気はないから放置」
「画面覗いてくる」
「礼儀知らないって嫌だね」
「こういう風に歳を取らないようにしよう」
「まだ画面覗いてる」
「使いこなせない技術に嫉妬してるんじゃないかな」
以下蛇足。
「これ見よがし」と「聞こえよがし」は意味としてはほぼ対になるんだろうけど、これ見よがしのほうが何となく積極的な気がする。
自分でも気にしすぎだと思う。
蛇足に関連。
『三省堂国語辞典・第6版』の編集を担当した、早稲田大学非常勤講師の飯間浩明さんに、この「よがし」の件についてお聞きしたところ、こんなメールが返ってきました。
(zig5z7略)
『三国』の場合、「がし(接尾語)」「よがし(連語)」の双方に、例として「聞こえよがし」が入っており、疑問を招く結果になっています。「聞こえよがし」「死ねよがし」から「よがし」という共通の単位を取り出すのも一つの考え方であり、一項目内の説明としてはこれでけっこうなのですが、「がし」の項で「聞こえよ+がし」と分けているのと整合性がとれなくなりますね。これは第2版以来のことで、問題が未処理のままになっています。これは私も気づかず、申しわけありません。次の版では、「よがし(連語)」の項目から「聞こえよがし」の例を削るか、ほかの処理をするかして、だれにもすっきり納得できるようにする必要があります。貴重なご指摘をいただきました。』
ということで、次の改訂に何らかの反映がされるかもしれませんね。連語を文法的に解明するのは、色んな意見があって難しいのでしょうねえ。
2008/5/28 道浦俊彦/とっておきの話
「聞こえよ」ってのがもうそのまま「聞く」の命令なのか?それならどっちも同じくらい強い感じはする。
聞くの命令は「聞け」で、「聞こえよ」の元は「聞こえる」(受身)だから命令形を作ることにあまり意味がないんじゃないか→聞こえ+よがし、と思ってたんですが、この捉え方は現代口語的すぎるんだろうな。
でも「聞こえる状態であれ」って命令だったら、こぉ、「思い出さなかったのなら、忘れていたことにすらならない」のような意味で、知らんがな、という気にはなると思う。その状態を命令されてもね、って。
「君に届け」は祈りのような命令だから届かなくてもまあしょうがないけど、これが「君に届いてろ」だったら地味に辛いんじゃないか。
「君」からすればなにしろ届くまでは存在自体知らないんだから対応のしようがないし、想いの方からすれば「すんません、その人のところに(まだ)届いてません」とは言いづらい。「いいから今すぐ受領印を見せろ、不在票とか入れてたらぶっとばす」って状態だから。
自分でも気にしすぎだと思う2。
蛇足2。
「触れよがし」「嗅げよがし」「しゃぶれよがし」「お前がしゃぶれよがし」
五感で残ったやつにそれぞれ訴えてみたらどんどん変態度が上がってきた。
最後の方がちょっと違うとか言わない。